みなさんは住まいの防犯対策を行っていますか?
近年の宮崎県では、住人が在宅していることを承知のうえで侵入する“居空き”が少しずつ増加しています。
侵入者と鉢合わせする危険性のある“居空き”は、自分や家族がケガを負ったり、事故に巻き込まれる危険性が高くなるため、しっかりと防犯対策を行うことが重要です。
今回は、シニア世代の私たちが対策するべき家の防犯対策について情報をお届けします!
<この記事でわかること>
【1】増加している!在宅中に侵入する“忍込み”と“居空き”
【2】シニアの家が狙われやすいワケ
【3】備えよう!ドアと窓の防犯対策
【4】まとめ
大切な家族と財産を守るため、今できることからいっしょに行動に移していきましょう。
参考:宮崎県 刑法犯 認知・検挙状況(令和6年)【確定値】
【1】増加している!在宅中に侵入する“忍込み”と“居空き”

宮崎県警察本部が公表する犯罪統計(令和6年)によると、県内における侵入窃盗数(空き巣・忍込み・居空きを含む)の認知件数は255件とのことです。
※認知件数…警察や関係機関が把握する犯罪件数
令和5年の同統計では認知件数が321件だったところから、翌年には66件減少したという報告は宮崎に住まう私たちにとって朗報です。

出典:刑法犯 認知・検挙状況(令和6年)【確定値】(宮崎県警察本部より)
しかしここで注目したいのは、“忍込み”と“居空き”に関して、認知件数・検挙件数・検挙人員が増加傾向にある点です。
<侵入窃盗の種類>
- 空き巣⇒住人の不在を狙い侵入する
- 忍込み⇒住人が寝静まった夜間に侵入する
- 居空き⇒住人が在宅していることを把握しながら侵入する
住人の在宅中を狙い侵入する犯罪は全国的に多発しており、さらには10万世帯当たりに見た忍込み・居空き被害は65歳以上のシニア世帯が最も多いことが分かっています。

出典:令和5年の 刑法犯に関する統計資料(警察庁より)
【2】シニアの家が狙われるワケ

全国的にシニア層の住宅が狙われる傾向があるなか、そもそもなぜ、高齢者の住まいが標的にされやすいのでしょうか?考えられる3つについてまとめます。
①身体の衰えに付け込む
高齢になると自身の力で被害を防止することが困難となるため、【侵入が容易】【逃げやすい】と判断される。
②認知機能の低下
聴覚や視覚など認知機能の低下により物音や気配に気づきにくいため、侵入した事に気づかれない可能性が高い。
③多額の現金を家に保管している
手元に現金がある便利さやまとまった金額がある安心感などから“高齢者のタンス預金は多い”と言われているなか、高齢者層の貯蓄傾向から侵入窃盗を企てようとする。
株式会社第一生命経済研究所によると、国内におけるタンス預金の残高は2023年12月時点で59.4兆円と試算されています。しかし金融機関が把握できない預金なだけに、全国のタンス預金額は100兆を超えているとの推定もあるほどです。
参考:Economic Trend (第一生命経済研究所 2024年発表)
このほか、周囲に見守る人がいない一人暮らしの高齢者においては特に犯行を遂げやすい環境があるため、防犯への備えが一段と重要になってきます。
【3】備えよう!ドアと窓の防犯対策

空き巣、忍込み、居空き。一度でも被害に遭うと、その精神的ショックは大きく、事件後も長く不安を抱えることになりかねません。
警察庁の発表では空き巣の侵入経路は【窓】【表出入口(玄関)】が多く、戸建て住宅においては令和5年に発生した侵入窃盗13,490件のうち、侵入口として最も多く使われたのが窓(全体の55.2%にあたる7,448件が窓から侵入)だったということです。
<侵入窃盗の侵入口>

出典:住まいる防犯110番 (警察庁より)
万一の事態を防ぐためにも、ドアや窓に適切な防犯対策を施し、“狙われにくい家”にすることが重要です。
有効な防犯対策を講じて、大切なわが家を守っていきましょう。
<ドアと窓の有効な防犯対策>
■窓の防犯対策① センサーライトの設置
- センサーが人を検知するとライトが光り、不審者や侵入者の存在を周囲に認識させることができます。犯人をけん制する防犯となり、侵入や窃盗を未然に防ぐことが期待できます。
■窓の防犯対策② 防犯フィルムの設置
- 防犯フィルムが貼られた窓は外部からの衝撃に強く、特にCPマークのついたフィルムであればなお安心です。
- 窓が割れた際にガラスの飛散防止にも役立ちます。
※CPマーク
官民合同会議が公表する「防犯建物部品目録」に申請、登録された建物部品のみ貼付できるマーク。
厚生労働大臣指定試験機関である“日本ウインドウ・フィルム工業会が認める製品であり、高い防犯性を有する建物部品に付帯される。
参考:日本ウインドウ・フィルム工業会
■表出入口の防犯対策 玄関補助錠の設置
- 警察庁によると泥棒が侵入をあきらめる家は“侵入に5分以上かかる家”と公表。
「1ドア2ロック」としてドアに2つ鍵を取り付けた場合、侵入に時間がかかるため被害を未然に防ぐ効果が期待できます。
参考:住まいる防犯110番(警察庁より)

また近年は巧妙な手口で住宅に侵入しようとするケースも見られます。例えば工事業者や訪問販売員を装い、高齢者を納得させる口実を作りドアを開けさせるなどのニュースも聞かれます。不用意にドアを開けてしまうと、万一侵入された際、高齢者にとってはとっさの対応が難しい場合があります。
事件、事故に巻き込まれないためにドア周りにおける以下のような防犯に努めることは何より大切だと言えます。
<訪問者に気をつけよう!>
- 訪問者が来た際には、すぐにドアを開けずインターホン越しに様子を見る。
- 訪問者に不審な点や疑問を感じた際には、家族や知人、近隣の人に知らせ、場合によって は警察に相談または通報する。
【4】まとめ

家の防犯対策を考える際には、侵入者に“侵入しづらさ”を感じさせることが重要です。
特に侵入経路として多く使われる窓やドア周りの対策をしっかりと行うことで、被害を未然に防ぐ有効な対策となります。
不審者は大勢の人の目を嫌います。そのため、日ごろからご近所との繋がりを持っておくことも防犯に大きく役立ちます!自治会などでは不審人物の情報共有がなされたり、何かあれば近隣同士が異変に気付きやすいなど、地元の社会参加は防犯上とても有用です。
自分自身の防犯対策に加えて、地域活動にも積極的に関わることで、住まいの安全をしっかりと守っていきましょう。