日本の警備業の歴史 〜古代から現代まで〜

はじめに

私たちの安全を守る警備業。その歴史は意外にも古く、日本の文化や社会の変遷と共に発展してきました。今回は、日本における警備業の歴史を古代から現代まで紐解いていきます。

  1. 古代からの警備の起源

日本の警備の起源は古く、11世紀末頃にまで遡ります。藤原氏が「大番舎人」という警備組織を編成し、宿直や警衛を行わせていました。また、白河天皇の時代には「北面武士」が身辺警護を担当し、これが現代のボディーガードの原型とも言えるでしょう。

  1. 江戸時代の警備

江戸時代には、幡随院長兵衛のような町奴が、現代の人材派遣に似た形で警備業務を行っていました。豪商の邸宅警護や大名の警護役として人員を派遣するなど、警備業の萌芽が見られます。

  1. 明治維新から戦前まで

明治維新後も、日本の治安は比較的良好でした。これが「水と安全はただ」という言葉につながっています。昭和初期までは各企業が「自警制度」を採用し、定年退職した社員を守衛として再雇用するのが一般的でした。

  1. 戦後の警備業の発展

日本の警備業が本格的に発展したのは戦後のことです。GHQの日本進駐をきっかけに、民間ビルの警備需要が高まりました。1960年に日本初の警備会社「日本警備株式会社」が設立され、その後急速に業界が拡大していきます。

  1. 1960年代〜1970年代:警備業の黎明期

1964年の東京オリンピックや1970年の大阪万博を契機に、警備業は大きく飛躍します。また、テレビドラマ「ザ・ガードマン」の人気により、警備員という職業が社会的に認知されるようになりました。

この時期、セコムや綜合警備保障(ALSOK)など、現在の大手警備会社が次々と創業。1966年には機械警備システムが導入され、警備業のテクノロジー化が始まりました。

  1. 1980年代〜1990年代:警備業の多様化と専門化

1981年には一般住宅向けの機械警備が実用化され、警備業が一般家庭にも浸透していきます。1984年には警備業が独立した産業として正式に分類されるなど、業界の地位が向上しました。

  1. 2000年代以降:新たな課題と進化

2001年の米国同時多発テロ以降、テロ対策としての警備の重要性が高まりました。また、学校や病院など、これまで以上に幅広い分野での警備需要が増加。2007年には民間警備員が刑務所で働くなど、警備業の役割はさらに拡大しています。

おわりに

日本の警備業は、社会の変化とニーズに応じて進化を続けてきました。今後も、テクノロジーの発展や新たな社会課題に対応しながら、私たちの安全を守り続けることでしょう。警備業の歴史を知ることで、現代の警備業の重要性をより深く理解できるのではないでしょうか。

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