若松 範至 隊員(77歳) 日向営業所所属 / 勤務歴13年3カ月
※2025年インタビュー当時
現場リーダーとして若い方に自分の背中を見せてきたからこそ、次世代にバトンを渡す喜びと期待が募る。
指導する立場だからこそ、チームの安全に対して厳しい目を持つ
日向営業所では国道10号線やカーブの多い山間部での現場業務がありますが、車の走行スピードが速く見通しの悪い場所での交通誘導は、やはり緊張します。現場指導者として危険の芽を摘みチームの安全を守る責任があるなか、私は【常に確認】という意識を重要視し職務を遂行しています。
例えば片側交互通行規制(片側車線だけを使用し交互に車両を走行させること)では、反対側で作業をする仲間と無線でやり取りを行います。その際、『了解』という車を流す合図を聞いた後でも、すぐに車両を誘導せず、車を通す前には必ず周囲の確認をします。
交通誘導では何人で業務に当たろうとも真のチームワークが重要です。だからこそ仲間との正確な意思疎通や安全への高い意識に対しては厳しい目を持ち、日々誘導に当たっております。
ときにチーム内で安全が確保されていない行動が見られた際には、厳しくても伝えるべきことはお伝えしています。それはもしかすると、経験の浅い若い方にとっては「若松さんは厳しい」と感じておられるかもしれません。しかし厳しいことをお話する裏には、その方自身とチームの危険性回避への意図があり、耳に痛い話をするのは自分の務めと思い仕事に向き合っているところです。
また事故防止を考え、交通量の多い現場や山間部に赴く際には、現地に向かう車の中でチームメンバーに「こういう部分に気を付けてください」と話をします。このように現場のみならず作業前の意識合わせを行うことで、誰一人ケガをすることが無いよう全員で認識の確認をしていますね。
13年の経験から理解する危険性
ベテランと呼ばれる社歴を持つ私は、これまでの警備員経験で一度もケガを負ったことがありません。しかし一度だけ、この仕事の危険性を肌で感じた出来事があります。
以前、前方不確認のドライバーが赤旗を上げて示した私の静止合図に気づかず、私の目の前に設置していた誘導標識を跳ね飛ばしました。
明らかにスピードが落ちないその車両に危険性を感じたため事前に避けてはいましたが、停止したドライバーに話しかけるとスマホの“ながら運転”が原因であったことが分かりました。
一触即発の事態が起きる現場の怖さを知っているからこそ、やはりこの仕事は徹底した安全確認が大事だと言えます。
実は、時々妻が年齢を考えて「もうやめてくれ」と言います。
しかし、私自身は「この仕事が俺の生きがいなんだよ」と伝えています。
私はお客さまに頭を下げたとしても、この交通誘導に対して大きな誇りを持っています。
身体が持たなかったり、会社から“そろそろ引いてください”と言われない限り、やりがいを多く感じる今の仕事を実直に続けていきたいですね。
公共交通を守り抜く誇り

今の時代は交通誘導員がいないことには法律上建設や工事作業ができず、警備員の存在は多様な場所で根強い需要があります。
作業中はクレームに誠心誠意対応する事もままありますが、そうした中でも心がホッとする瞬間に出会うこともあるのです。
私は停車して下さったドライバーに“ありがとうございます”という気持ちで頭を下げます。その際に運転手の方も一礼を返していただくことには、やはり嬉しさを感じます。
また夏場に山の近くで仕事をしていると、わざわざ冷たい麦茶を持ってきてくれる方もいらっしゃいました。
現場に行けば「お疲れさん!」「ありがとう!」の言葉が心に響き、人の優しさに触れられる仕事風景が私のやりがいに繋がっています。
“この現場が良くなれば良い”と心から思うなか、例えば作業中に落ちているゴミを拾うことがありますが、当たり前に行っている自分の行動が偶然誰かの目に留まり「ありがとう」と言われることには嬉しさも一入です。
そして、
『この仕事、若松さんじゃないとダメなんですよ』
『若松さんに来てほしい』と言っていただく一言。
公共交通を守る誇りを胸に抱きながら、責任とやりがいを感じる日々はとても充実しています。
会社の支援制度を利用して取得した“4つ”の資格
64歳からセキュリティロードに入社し、1年目には交通誘導検定2級を取得しました。
その翌年には雑踏検定2級を取得。
3年目には施設警備の資格を取得し、4年目には列車見張りという資格を取得しました。
特殊な列車見張りにおいては、受験の意志を営業所の方にお伝えしたところ本社にまで確認いただき、博多に出向いて講習や試験を受けるなど、資格取得支援を積極的に活用してまいりました。
現在必要とするのは交通誘導に係る資格のみですが、国道10号線などは資格を保有していなければ立つことはできず、取得した資格が仕事に張りをもたらしています。
また、指導する立場であるからこそ資格を持つメリットは大きく、13年のなかで培ってきた技術や知識を若手に教え伝えるために大きく役立っています。
率直に言えば自分の年齢を考えると、次世代のリーダーに伸びていただきノウハウやスキルはもとより、指導係という私の立場を受け継いでいってほしいと思います。バトンタッチできる喜びは何にも代えがたいものです。
若い方々にはぜひ、現場のリーダーとなり、業界を支える中核人財として頑張っていただきたい。今は伸びてきた次世代に、バトンを渡す喜びと期待が募っています。
セカンドキャリアを考えている方へ!

警備業務では、【あなたが事故を防ぐ主役】になります。
決して大げさなことではなく、私たちの行動一つが事故を未然に防ぎ、道路環境の滞りない流れを生み出します。
セキュリティロードには、私のように現役を引退された60歳過ぎの方が多く入ってこられます。
私個人としては、警備の仕事はお金のためだけなく、“事故を防ぐという”責任感を併せ持つ気持ちで業務に向き合えると良いと感じています。
前職では大手建設会社に勤務し今よりも責任ある仕事を任されていましたが、現役の頃はこれほどまで生きがいを感じることはありませんでした。多くの方との巡り合わせが今の自分の土台となっているなか、奥さんへの常日頃の感謝の気持ちを大切にしつつ、安全に仕事を遂行し続けられるまで頑張っていきたいと思います。
\日向営業所の仲間から若松隊員へメッセージ/
若松さん!夏場は暑いので、お身体には気を付けて!
指導する立場でいらっしゃる若松さんには、いつまでもお元気でいてくださいと心から思います。