松岡 雄二 隊員(65歳) 八代営業所所属 / 勤務歴5年11カ月
※2025年インタビュー当時
“明確に伝えること”の重要性
セキュリティロードに入社し6年を迎えたなか、現在8名を束ねる現場リーダーを務めており、お客さまはもとよりチームの安全を第一と考え仕事に向き合っているところです。
交通誘導は身に迫る危険と隣り合わせであり、真横を通り過ぎる車の風圧を肌で感じる環境下で作業を行います。そのため警備中は五感を研ぎ澄まし誘導を行いますが、個人のスキルに加えて重要となるのが良好なチームワークです。
特に無線でのやり取りを行う際には、この両輪の重要性が強く感じられます。
顔を見て話すコミュニケーションとは異なり、声だけで指示を伝え合うというのは想像以上に難しいものです。私たちが保安する道路は、隊員同士が互いの立ち位置を確認できないほどに長い距離を有しており、無線からはストッパー(走行車両を止める隊員)や、中間部で工事車両を誘導する隊員の声が逐一流れている状況です。車両ナンバーをはじめ様々な指示が無線を通して交わされますが、全員がその一つひとつを正しく理解し、“余計なことは言わない”“正確に返事をする” などチームで意識を合わせることで、潤滑な車列をつくり出しています。
私はストッパーを担っておりますが、現実的な話として静止を無視し突入してくる車両や脇見運転など、一歩間違えば事故になる危険運転を多く見てきました。
そこで、“いかにして自分たちの身を守るのか”を考えることの大切さを、日々チームに伝えています。
朝礼では【今日の状況(天候・気温・道路傾向等)】【今日の工事内容】など“本日のポイント”について一人ひとりに伝えると同時に、事故がないようにと言葉を強調し話をすることもあります。時にそれは、相手によって『厳しい』と捉えられるかもしれません。しかし緊張感を持たないことには安全は保たれず、自分の重要な務めと思い伝えるべきは明確にお伝えさせていただいております。
意識の浸透というのは仕事そのものに表れるもので、終礼の折には私たちの仕事ぶりに対して現場監督から必ず労いと感謝の声をいただきます。
この瞬間は大変嬉しく、チーム全体の活力になる。
警備の仕事は信頼関係が非常に大切です。各自が現場の流れを理解し安全への意識を持つ積み重ねが確かな仕事を生み出し、個々の自信にもつながっていくように思います。
“見抜く力”を活かし、現場教育に力を入れる
前職はホテル業に従事しており、昇り詰める役職と伴って背負う責任に大きなやりがいを感じながら職を勤めあげました。最後は結婚式場の運営を任されていましたが、全スタッフが段取り通りに動くことで円滑な進行につなげていく点は警備業と似ています。
どこかで1つ、段取りが狂えば他も引きずられる。チームで“完璧”な仕事をするためには、全員の意識を同じ方向に向ける必要があり、だからこそ私はリーダーとしてチームをまとめることに対しては大きな想いを持っています。
警備の現場では当日の朝礼で人員の采配を行いますが、危険な個所には高いスキルを持つ隊員を充て、成長段階の隊員には近い場所に補助となる人員を配置するなど、人を良く観察し、その人の状態を理解した上で適材適所を検討します。
現場では隊員のスキルが道路の安全に大きく関わるため、全員を同じレベルまで引き上げていかなければならない側面があります。
そのため現在私が力を入れて取り組んでいるのが、個々のスキルアップです。例えば『停止合図を送っているにも関わらず車が突破してくる』と悩みを抱える隊員に対して、なぜ突破してくるだろうと一緒に考えつつも、現場では私が停止合図を送る姿を横で見ていただきます。そこから得る気づきを糧にしてもらい、成長につなげていきます。
一人ひとりの性格を見抜き、長所短所を加味しながら伝え方や指導方法を考える点も前職と類似しており、仲間の技術力を高めていくべく現場教育に力を入れているところです。
また、“常に見られている”という点も忘れてはいけない意識です。私たちはセキュリティロードという会社の看板を背負っています。それは、歩く広告塔、と言っても良いかもしれません。
制服の着こなしやヘルメットの被り方など、正しく身に着けることがいかに人の印象を左右するかという点もホテル時代で得た学びであり、日々チームに伝えています。
リラックスタイムは保護犬ポテトくんと過ごす時間

交通誘導は一切の気の緩みも許されない仕事ですが、集中力を保ち続けるというのはやはり精神的に疲れる部分があります。
特に朝のラッシュは交通量が最も増えていく時間帯であり、常に怖さが伴います。
気を張る仕事ではありますが、全ての業務を無事に終え帰宅の途に着くと愛犬のポテトが玄関先で待ち構えており、その無条件にかわいい姿を見ると心底ホッとしますね。ポテトは昨年12月にわが家に来ましたが、最初は人間に対する敵対心がありました。しかし今となっては大変聞き分けもよくとてもお利口。そのかわいい表情を見るたびに『この子のためにも安全に、頑張らなきゃな』と思います。
仕事をしているからこそ休日とのメリハリがあり、生活に張りと充足感があるのだと思います。
やっぱり人が好き。『いつもの警備員さん』であることが地域に安心をもたらす
警備の仕事をしているとクレームに対応することもあります。特に早朝警備ではドライバーに眠気や疲れが見て取れるなか、気分で怒られる場面もままあります。気持ちの良いものではありませんが、しかしこちらはプロとして割り切るというのも大切な心得です。
一方で、言葉が警備の仕事にやりがいをもたらしてくれることもあります。
私は停止合図で止まってくださったドライバーに対し、ピタリと手を上げてお礼の気持ちをお伝えしますが、その際に運転手の方がこちらに応じて手を上げてくれ、窓越しに見える表情を確認すると笑顔であることが読み取れます。
なかには「警備員さんのおかげで朝から気持ちが元気になりました」「もっとお話がしたいんだけどねぇ」とおっしゃる方や、コーヒーやお菓子を持ってきてくださる方もいらっしゃいます。
“いつもの警備員さん”がいる日常は地元の方々に安心と笑顔をもたらしているようで、その実感もまた心地よいものです。
地域の方々が私たちの仕事に対して感謝の想いを伝えてくれることには、何よりもうれしさが込み上げますね。
人というのは難しい。けれど、やっぱり楽しい。
私の仕事に対する原動力は“人が好き”であることが根底にあり、その気持ちがやりがいや楽しさにつながっています。
様々な方がいるなかで『あそこの警備員さんはいいよね』と良い印象を抱いていただくことは、気持ちの良い仕事ができるだけに留まらず、チームの評価、その先には会社の売上につながるメリットがあります。
三方良しの循環を創り出すべく、今後もチームで丁寧な接客を心掛けてまいります。
セカンドキャリアを考えている方へ
警備業を検討されている方には、ぜひ思い切って飛び込んでいただきたい。
新しい仕事を始めるのだから、入社したての頃は“分からないことがあって当たり前”です。
1日1日必ず一つずつ覚え、それらを現場で実行していきながら一つひとつ成功させていけば、日々の仕事がとても楽しくなると思います。
警備の仕事は路上に立ってからが本番であり、デスクで受けた教育と現場で受ける指導は全く異なります。現場に出たときの緊張感というのはその場ならではのものがあり、スキルが身についていくほどに“充実した緊張感”に変化していくと思うのです。
私はセキュリティロードに入社し6年を迎えましたが、毎日を新鮮な気持ちで迎えていると同時に「今日はこのポイントが危険だな」「ではどのようにして回避していこう」と緊張感を前向きな思考につなげ、チームが笑顔で帰れるよう努める日々です。
チーム全員が笑顔で帰路につくという“当たり前”が、私にとっては何よりもうれしい。
終礼を終え、仲間とたわいもない会話で笑みがこぼれるこの瞬間が一番ホッとします。そして、家に帰るまでが大事だよ、待っている家族がいるんだよ、とチームに伝え1日を終える。
この繰り返しがいつまでも続くように、今後も真摯に仕事に取り組んでいきたいと思います。