加藤 昇 隊員(67歳) 日南営業所所属 / 勤務歴2年7カ月
※2025年インタビュー当時
立っているだけだと思っていた警備の仕事。実際働くと日々勉強!
“2年7カ月の勤務を経て仕事に慣れたか”と聞かれたら、『慣れた』という考え方は持っておりません。警備の仕事に慣れるまでには、5年以上はかかるのではないでしょうか。
現在交通誘導警備に携わり多様な現場で経験を積むなか、自分の仕事に妥協しないよう『自分は勉強段階』という思いで業務に向き合っています。
実はセキュリティロードに入社する以前は、警備員の業務は立っているだけと単純に捉えていたこともありました。しかし、見るとやるとでは全く違った。
現場ごとに業務内容や作業時間が異なるため、行った先で瞬時に判断を下す力が求められます。特に、柔軟な対応が必要な場面では、常に緊張感を持って仕事に臨んでいます。
例えば勤務場所に到着したならば、安全に作業ができる立ち位置を自ら判断し、道路状況や地形の把握から流れる車を誘導する必要があります。このとき、仮に毎日同じ場所を警備するのであれば地域の交通傾向を読み解くこともできますが、日々勤務場所が変わるなかでは臨機応変さが多く求められます。
一見簡単そうに見えた警備業は実際携わる今だからこそ分かる難しさがあり、そのなかで学んでいこうと思う意識は気持ちを前向きにしますね。
トラブル発生時の対応は柔軟に、そしてスピーディに
警備の現場では、ときにトラブルに対応することもあります。人は急いでいると心が焦るものです。そうした状況でたまたま“通行止め”に遭遇してしまったら、場合によっては焦りの気持ちが怒りに変わることもあるかもしれません。
警備員として日々交通誘導を行っていると、そのような気持ちをぶつけられることもあります。しかし、例えば電気工事などインフラ整備のためにやむを得ず通行止めにしている状況では、私たちはドライバーの不満を理解した上で言葉を選びつつ「ご協力をお願いします」と対応を取ります。
私たちの仕事においてお客さまとなるのは、電力会社や建設会社など警備員を必要とする企業です。ときにドライバーよりクライアント企業に苦情が入り、その報告が即座に弊社に共有されることもありますが、そうした折にはチームで現状起きている事態を把握し、“通行止め解除”の合図がなされたのちには速やかに車を流すことで、通常通行を取り戻せるよう交通整理を行います。
基本と応用を使い分ける

どのような仕事においてもそうですが、全ては基本が育つことで応用ができるものです。警備業では旗の振り方や合図の出し方など基本のルールがありますが、なかでも私が重要視している原則が“車を急に止めない”ということです。
車が来ることに対して360度周りを見渡し、いち早くの判断から安全に誘導することを心がけています。
一方ではドライバーや通行人より、日々さまざま意見を頂戴するため、機転を利かせた動きが必要となるケースもあります。
言ってしまえば仕事は基本と応用を平行して行うようなもので、車両や歩行者に危険が及ばないよう状況に応じて適宜動くというのが大切になってきますね。こうしたところはやはり難しく、多様な実務経験を得てきた今、ようやく順応した動きが分かってきたところです。
私たちの勤務形態では、1日のなかで作業現場が変わることがあります。
また通行止めを実施する距離について、現地に赴き初めて情報を知るということもある。例え地図上で事前に道路位置を確認していても、実際に立ってみないことにはどこに危険が潜んでいるのか把握できないもの。
だからこそ、全ての現場で安全に仕事を遂行するためには経験則が大切で、実務経験を積めば積むほど危険を察知する力も育つように思います。
以前、居眠り運転が多くなる時間帯に1台の車の走行に違和感を覚え声をかけたことがありますが、自分の行動が交通安全に深く結びついていることを日々肌で感じています。
自らの旗振りがスムーズな道の流れを生むやりがい
自分の行動に責任が伴う警備の仕事ですが、満足感を覚えることがあります。
それは、自分の旗振りが安全な運行をつくりだしていると実感するときです。誘導の通り車両が動き交通渋滞を招かずに道路が流れている様子は、見ていてとても気持ちがよいものです。仕事は長丁場になることもありますが、交通誘導には面白さを感じています。
ただ、立ちっぱなしの時間にキツさを感じることもままあります。私は若い頃マグロのはえ縄船に乗り100kgのマグロを扱っていた経験がありますが、基礎的な体力がありつつもやはり若い頃のものとは違います。
仕事が休みのときには疲れた身体を休ませ、またお寺のボランティアに参加することで日常生活から少し離れ、自分を見つめ直す時間を設けたり心の安らぎを得るなど余暇を楽しんでいます。
セカンドキャリアを考えている方へ

私がセキュリティロードを選んだ理由の1つは、定期的に仕事があるという安定性です。
突然仕事が休みになれば生活に不安を感じ、心のゆとりを保つのが難しくなると思うのです。物価高の昨今では特にそうではないでしょうか。 仕事を通じて“いくつになっても学び続ける”大切さを感じているなか、私は今後も安全を守る交通誘導に携わっていきたいと思います。