「やっぱり娘のためですね」今年79歳を迎える現役警備員が語る、働き続ける原動力 

 川津 友二 隊員(78歳)  日南営業所所属/勤務歴10年6ヵ月
 2026年5月インタビュー当時

「娘のことが心配だから、まだまだ頑張らないといけんのですよ。」

そう話す川津友二隊員の表情は、とても穏やかで優しさにあふれていました。

現在78歳。あと数か月で79歳を迎えます。

長年にわたりさまざまな仕事を経験し、今も現役の警備員として活躍する川津隊員。その姿からは、年齢を重ねても社会とのつながりを持ちながら働き続けることの素晴らしさが伝わってきました。

今回は、これまでの歩みや警備の仕事への想い、そして働き続ける原動力についてお話を伺いました。

大病を乗り越え、今も元気に働ける理由

川津隊員は若い頃に二度の大きな病気を経験されています。

当時は体調の異変を感じながらも原因が分からず、不安な日々を過ごしたそうです。専門病院で治療や手術を受け、無事に回復。その後は大きな病気をすることなく過ごしてこられました。

「若い頃は大病をしましたけど、それ以来は元気ですよ。」

そう笑顔で話してくださいました。

ご両親も長寿で、お父様は103歳まで、お母様は現在99歳。

「親から丈夫な体をもらったんでしょうね。」

と感謝の気持ちを口にされます。

もちろん年齢とともに耳や目の変化は感じるそうですが、それも受け入れながら日々工夫を続けています。

「若いうちは気にならんでも、あとから出てくることがありますからね。」

現場では紫外線対策用の眼鏡を着用するなど、自分の体を守ることも意識しているそうです。

長く働き続けるためには、日頃の健康管理も大切。

その言葉には、多くの現場を経験してきたからこその説得力がありました。

68歳で警備の世界へ

若い頃はみかん農家として働き、その後はトラック運転手や運転代行など、さまざまな仕事に携わってきた川津隊員。

地域を支える仕事を続けてきた中で、68歳の時にセキュリティロードへ入社しました。

「気付けば10年以上になりますね。」

と懐かしそうに振り返ります。 

現在は交通誘導警備を担当し、道路工事や電気工事の現場で車両や歩行者の安全を守っています。

「仕事は楽しいですよ。」

その言葉がとても印象的でした。

警備の仕事というと体力が必要なイメージを持たれるかもしれません。

しかし実際には、人と接する力や状況を判断する力も求められます。

川津隊員は、これまで培ってきた人生経験が今の仕事にも活きていると感じているそうです。

電柱番号を見れば場所が分かる

お話を伺っていて驚いたのは、その土地勘の良さでした。

長年担当してきた電気工事関連の現場では、地域の地理を熟知しています。

「電柱番号を見れば、だいたい場所は分かりますよ。」

長年現場を担当してきたことで、地域の地理が自然と頭に入っているそうです。 

以前、電柱関連の業務に携わっていたこともあり、現場名を聞けばおおよその場所が頭に浮かぶそうです。

スマートフォンを持っていなくても困らないほど、地域のことを知り尽くしています。

道路事情や地域の特徴にも詳しく、その豊富な知識からは長年現場に立ち続けてきた経験の深さがうかがえました。 

警備の仕事は、ただ誘導棒を振るだけではありません。

工事内容を理解し、周辺環境を確認しながら安全を守る仕事です。

現場を重ねるごとに判断力や危険を予測する力も身についていくそうです。

年齢を重ねたからこそ発揮できる強みがあることを、川津隊員の姿が教えてくれました。

「年寄りの言うことは聞いた方がいいですよ」

長年現場に立ってきた中で、若い世代へ伝えたいことがあるそうです。

「年寄りの言うことは聞いた方がいいですよ。」

冗談めかして話されていましたが、その言葉には経験者ならではの実感が込められていました。

若い頃は、自分自身もなかなか人の話を素直に聞けなかったそうです。

「その時は分からんのですよ。」

「でも年を取ると、あの時言われたことは正しかったなと思うことがあります。」

特に健康管理や安全管理については、先輩方から教わったことが今になって役立っているそうです。

紫外線対策や体調管理、周囲への気配り。

どれも現場で長く働くためには欠かせないものばかりです。

新しく入った隊員に対しても、自分が学んできたことを伝えるようにしているそうです。

その言葉には、後輩たちへの優しさがにじんでいました。

人とのつながりがあるから続けられる

警備の仕事は一人で立っているように見えますが、実際には多くの人との関わりがあります。

工事関係者、地域の方々、ドライバー、そして一緒に働く仲間たち。

だからこそ、人との関係づくりも大切だと話します。

新人隊員について尋ねると、

「何回か一緒に仕事をしてみないと、その人のことは分からんですね。」

と答えてくださいました。

人によって性格も違えば、伝わりやすい言葉も違います。

だからこそ相手をよく見て接することを心掛けているそうです。

長年多くの人と関わってきた川津隊員らしい、人柄が伝わる言葉でした。

一番の原動力は家族

今回のインタビューで最も印象的だったのは、娘さんについて話される時の表情でした。

年齢を重ねてから授かった大切な一人娘。

進学や就職で県外へ出た時のことなどを、昨日のことのように話してくださいました。

「今でも心配ですよ。」

その言葉には、親としての変わらない愛情がにじんでいました。

そして今もなお働き続ける理由を尋ねると、少し照れながらこう答えてくださいました。

「やっぱり娘のためですね。」

その言葉はとてもシンプルでしたが、家族を想う深い愛情と責任感が伝わってきました。

働く理由は人それぞれです。

川津隊員にとって、大切な家族の存在が日々の励みになっているのでしょう。

娘さんを想う優しいまなざしが、そのことを何より物語っていました。

編集後記

「警備の仕事は体力勝負」

「シニアには難しいのでは」

そんなイメージを持つ方もいるかもしれません。

しかし今回お話を伺い、年齢を重ねたからこそ発揮できる力があることを改めて感じました。

地域を知る力、人を見る力、危険を察知する力。

それらは長い年月の中で培われるものです。

そして何より印象的だったのは、娘さんの話をされる時の優しい笑顔でした。

家族を想う気持ちが、今も働き続ける力になっている。

その姿は、「まだ働きたい」「社会とのつながりを持ち続けたい」と考える多くの方の背中を押してくれるのではないでしょうか。

家族のために、仲間のために、地域のために。

今日も川津隊員は、変わらぬ笑顔で現場に立ち続けています。

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