定年後に様々な不安に直面するシニア世代
定年後の悩みで真っ先に思い当たるのが「老後2000万円問題」です。
令和元年(2019年)に金融庁が公表した「高齢社会における資産形成・管理」報告書で、将来の老後資金として「老後30年間で約2000万円が不足する」と試算し、それを発端として世間で議論を巻き起こしました。
経済的な不安
定年後の一番の悩みは、定年後の収入が減少することでの「経済的な不安」です。
定年退職後、従来の収入源がなくなるため、年金や退職金などに頼ることが多くなります。
しかし、予想よりも少なかったり、生活費や医療費の増加に対応できなかったりする場合、経済的な困難を抱えることになります。
年金や退職金などに頼れず、再就職や追加の収入を得ることを求めたとき、高齢による雇用の制約や年齢差別の影響を受けることもあります。
就労意欲はあるのに雇用自体が少なかったり、適切な雇用条件を見つけることが難しくなったりします。
また、高齢者向けの介護施設や老人ホーム、デイサービスなど、サポートやケアを受けるための費用も高額になることがあり、自立した生活を送るためのサービスや施設利用料に関して、経済的な負担が生じることも考えられます。
社会的な不安
経済的な不安に加えて、「社会的な孤立感」を挙げるシニア世代もいます。
定年前に職場で活発にあったコミュニケーションが一気に減少し、会話も減ることで、孤立感を抱くことがあります。対策としては、新たな人間関係を築くために、趣味やサークル活動、地域でのボランティア活動などに参加することをお薦めします。
健康面の不安
また、年齢が進むと「健康面への不安」が増えていきます。
会社では定期的な健康チェックがありましたが、定年後には自主的な定期検診が必要で、それに加えて、適切な運動やバランスの取れた食事など、健康管理に努めることが重要です。
プライベートなお悩みも
プライベートで多いお悩みは、「家族やパートナーとの関係性」です。
定年後には時間の過ごし方や生活リズムが変化するので、それに伴って、家族やパートナーとの関係が変化していきます。
良好なコミュニケーションを築いていくために自らが積極的に立ち回ることもポイントになります。
シニア世代の場合、さらに「生きていくための意義・目的の喪失感」という厄介な悩みも抱えてしまいます。
長年のキャリアを終えた後、自分はこれから何をするべきか、自身の人生の意義や目的を見失った場合、まず現在の立ち位置を確かめて、自己探求や新たな目標の設定、興味や情熱を持てる活動に取り組んで、充実感を得ることが大切です。
シニア世代の警備員のお悩み、教えます
警備サービス業に従事するシニア世代は、高齢者に適した労働条件や適切なサポートを受けながら働くことができますが、それでも以下のような悩みを抱えることがあります。
身体的・心理的な負担
交通誘導や雑踏(イベント)警備など、長時間の立ち仕事になったり、施設警備などでは精神的な緊張感が続くため、「身体的・心理的な負担」があります。
また、警備業は24時間体制が多く、夜間や休日の勤務もあります。疲労や身体の不調を感じたら、シフト変更を申し出るなど、自らの判断が必要になります。
価値観の違い
また、シニア世代の警備員と若い世代との間で「コミュニケーションや価値観の違い」により現場で衝突することもあります。
シニア世代は自分たちの認識や価値観に固執することなく、問題解決のためのコミュニケーションを促したり、終業後にキャリアを超えて話し合うなど、その場での円滑な行動が求められます。
将来への不安
警備員として働いていても、漠然とした「将来への不安」を拭うことができない人もいます。
再雇用後の将来や退職後の生活に対する不安を抱えながら警備の現場で働くことは、緊張感を欠くことにもつながり、自身の評価を下げることにもなります。
経済的な不安や社会的な孤立感が悩みなら、同世代の警備仲間との趣味を通じた交流や、自分に適した休養・休暇を調整することも大事です。
シニア世代の雇用が多い警備サービス会社では、職場環境の改善やコミュニケーションの円滑化など、様々な施策によって、シニア世代の警備員の悩みに対応した「働きやすい会社」を目指しています。一人で悩みを抱えず、身近な仲間や職員と話し合うことから始めましょう。