夫婦で考える、定年前後のお金の話

まだまだ働けるシニア世代。でも、実際にはどんな仕事を選ぶべき?

財布は一緒? 別々? 定年を迎える前に話し合うべきこと

夫婦共働きが当たり前になって、家計管理の方法は、昭和時代の「財布が一つ」から「財布は別々」というシニア夫婦も多くなっています。

財布を一緒にするか、別々で暮らすかは、夫婦次第ですが、夫婦別財布だと離婚率が高くなるというデータもあって、今回のテーマ「定年前後のお金」については、どこかのタイミングで “財布の中身”をしっかり一緒にのぞき込むことが必要です。

何にいくら使っているのか、貯金はいくらあるのか、ローンは何が残っているのか、子供にはこれからいくらかかるのかなど、現実をきちんと見つめ、さらに、夫婦のこれからの生活費、医療費、趣味にかかる費用などを予算化して、支出と収入をバランス良く調整し、できれば将来の経済的な安定を確保することも欠かせません。

定年前後の夫婦が話し合うべきトピックは「お金」以外にもあります。

まず、夫婦の「定年計画」。企業定年は65歳まで延長され、さらに70歳定年も現実味を帯びてきていますが、どのタイミングで退職するか、働き続けたいか、夫婦お互いの希望や状況を考慮して、共に生きていくために合意に達することが重要です。

たとえば、公務員夫婦が定年退職して、男性が地方で農業をやりたいと移住しましたが、移住と農業に心の中では反対だった女性が結局離婚して、都会にいる子供に頼ってしまうという例も、コロナ禍以降に増えています。退職金を無駄に使わないことも、きちんと視野に入れるべきでしょう。

地方移住は一つのブームですが、定年後の「生活スタイル」を考えることも大切です。共働き夫婦なら、定年直前まですれ違いの忙しい生活を送っている人も多いですが、定年後の趣味や旅行、レジャー活動、社会活動(社会貢献活動やボランティア)など、夫婦共通の興味や希望を話し合うことで、新しい目標が生まれてくるかもしれません。

同じように、定年に際しての「住居」の見直しも重要です。将来を見据えたリフォームや引っ越しなども検討すべきことで、子供に対しての遺言書の作成や遺産分配についても、一度夫婦で話し合う機会を作るべきです。

定年を迎える前に夫婦で様々な問題や課題を話し合うことは、夫婦間のコミュニケーションを深めると同時に、円満な退職生活を送るための共通のビジョンを築く基盤になります。お互いの将来の不安や希望について腹を割って素直に話せば、予期せぬ問題にも柔軟に対応できるはずです。

夫婦で一緒に「財務計画」を立てることで、安定した生活が見えてくる

定年前後に夫婦が“財布の中身”を一緒にしっかりとのぞき込むことは重要ですが、現在の貯蓄、投資、不動産などの資産と、ローンや借金などの負債を洗い出すことから始めましょう。「現在の経済状態」を知らずして、将来のための「財務計画」は立てられません。

次に「定年後の生活費」を見積もりましょう。過去の支出履歴を参考にしながら、毎月の生活費、住居費、医療費、趣味や旅行費などを算出し、必要な資金を一度数字にしてみましょう。もし足りないのなら、定年後の生活を支える退職金や年金などの受給額を確認することも必須。企業の規定や社会保障制度によって異なるため、事前にしっかり理解しておくことも必要です。

定年前後は、「投資と資産運用」を考えるタイミングでもあります。今、金融商品で注目されているのがNISA(ニーサ)で、通常、株式や投資信託などの金融商品に投資した場合、これらを売却して得た利益や受け取り配当に対して約20%の税金がかかりますが、NISAは、一般NISA、つみたてNISAがあり、どちらも「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になります。また、人生100年時代を見据えた老後資金として個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)も注目されています。

定年後のお金計画は、より豊かな老後生活を見据えて、長期的な視点で、現実的な計画を立てることが大切です。「こういう暮らしをしたい」「そのためにはいくらかかるのか」から目をそらさずに夫婦で協力して策定しましょう。

安定した生活とやりがいを得られる「警備サービス業」とは

定年後のお金の話になりますが、上記のように夫婦で「定年後の生活費」を算出して「ちょっと足りない」ことも多いはず。何かを節約して慎ましく生活することも大事なことですが、仕事をしてちょっと足して、お金の心配をせず、活気のある毎日を過ごすことも、定年後のやりがいに通じます。

そういう意味でお薦めするのが警備サービス業。地域社会と人々の安全を守る重要な役割を果たす仕事は、「社会貢献度」を強く感じることができ、定年前に培った経験や知識を活かしながら、安全管理や危機管理などの分野で貢献することができます。

また、警備サービス業は、シフト勤務やパートタイムの仕事が多いので、自分の都合に合わせた働き方ができるのも魅力で、仕事と趣味を両立させたり、自分の身体的な負担を考えながら仕事内容を調整していくことも可能です。

定年後に心配な、人とのコミュニケーションについても、警備業務は日々変化する状況に対応しながら、新たな人間関係を構築する機会もあるので、仕事仲間やクライアントとの交流を育むこともできます。

生活費の補填や補充という目的でも、自分の体力や健康状態に合った仕事を選ぶことがフレキシブルにできる警備サービス業は、シニア世代の働き方にマッチする仕事の一つです。

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